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労働者(常用、日雇、パート、アルバイト、派遣等)に関する相談事例集

労務管理全般management

14.労務管理全般

労務管理全般

CASE1 学生アルバイトの労務管理で気をつけるべき点は?
労務管理全般

相談内容
私の事業場では、アルバイト従業員の大多数が学生ですので、彼らが労働基準法が適用される「労働者」であるといわれても、ピンときません。
労働契約書とか労働条件通知書とかいう堅苦しいものは交わしていません。
学生アルバイトには年次有給休暇はありません。
会社に合わないアルバイトには辞めてもらっています。
とはいえ、最近はコンプライアンスが厳しくなってきていると聞いていますので、気を付けるべき点があれば、アドバイスをお願いします。

非正規雇用労働条件改善指導員が行った指導・助言内容
アルバイトであっても労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金などの労働基準関係法令の適用があります。具体的には、たとえば、
@ 労働契約の締結に際しては、労働条件の明示が必要です。
A 年次有給休暇を与える必要があります。
B 一方的に辞めさせる行為は解雇に該当します。解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして、無効とされます。また、解雇する場合には、原則として解雇予告手続が必要です。

改善結果
@ 今後、アルバイトを採用する際には、労働条件通知書を交付することとし、年次有給休暇を含む労務管理を、就業規則及び労働条件通知書に基づいて行うこととした。
A アルバイトを解雇する場合にも、客観的に合理的な理由があり社会通念上相当であるかどうかを慎重に検討してから行うようにするとともに、30日以上前に予告を行うこととした。

解説・参考例
@ 労働基準法が適用される「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいうと定義されています(労働基準法第9条)。したがって、正社員のみならず、パートタイマーや学生アルバイトも「労働者」に該当し、労働基準法が適用されます。
A したがって、アルバイトを雇い入れる場合でも、賃金、労働時間その他の労働条件について明示しなければなりません(労働基準法第15条第1項・同法施行規則第5条第1項)。
B また、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上を出勤した場合は、年次有給休暇が発生します(労働基準法第39条)。
C 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日以上前に予告をするか、または30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません(労働基準法第20条第1項本文)。ただし、
・日々雇い入れられるもので、引き続き使用されている期間が1か月以下の者
・2か月以内の期間を定めて使用される者で、2か月を超えて引き続き使用されるに至っていない者
・季節的業務に4カ月以内の期間を定めて使用される者で、4カ月を超えて引き続き使用されるに至っていない者
・試の試用期間中の者で、雇入れ日から14日以内の者
については、解雇予告手当は不要です(労働基準法第21条)。
さらに、
・天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合
・労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合
で、所轄労働基準監督署長による認定(解雇予告除外認定)を受けた場合にも、解雇予告が不要です(労働基準法第20条第1項ただし書・第3項)。
D解雇が適法かつ有効になされるためには、上記Cの解雇予告手続以外にも慎重な検討が必要です。労働契約法第16条は、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当てあると認められない場合は、その権利を乱用したものとして、無効とする。」と規定しています。さらに、有期労働契約の途中解雇については、「使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなけれは、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。」(労働契約法第17条第1項)と規定しており、期間の定めのない労働契約の解雇よりも厳しい条件を課しています。

以上は
労務管理全般

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の内容をご紹介させていただきました。

続きの→15.勤務日数の一方的変更を見てみる。

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