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労働者(常用、日雇、パート、アルバイト、派遣等)に関する相談事例集

労働時間の適正な把握hours

6.労働時間の適正な把握

労働時間の適正な把握

CASE1 労働時間管理って何をすればいいの?
労働時間の適正な把握

相談内容
先日、労働基準監督署で開催された労働基準法等についての説明会に参加しました。
そこで、労働時間に関して、どのように労働時間を記録・管理すればいいのか、労働基準監督署に対してどのような届出が必要なのか、労働時間制度をどのように設定すればいいのかについて具体的に教えてください。

相談者は 労働者数約10名(非正規雇用労働者を含む)の飲食業の経営者です。

非正規雇用労働条件改善指導員が行った指導・助言内容
@ 「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」では、始業・終業時刻を、使用者が自ら確認することにより確認・記録するか、タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認・記録することが原則とされています。
A 適法に法定時間外労働・法定休日労働を行わせるためには、割増賃金を支払うことはもとより、あらかじめ「時間外労働・休日労働に関する協定」(36協定)を労働者の過半数を代表する者等との間で締結して、所轄労働基準監督署長に届け出ておく必要があります。 B 繁閑の差があり、完全週休2日制を採用することが困難な場合には、変形労働時間制の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

改善結果
@ タイムカードを導入して、始業・終業時刻を記録・管理するようになった。
A 労働者の代表と時間外労働・休日労働に関する協定を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出た。
B 1か月単位の変形労働時間制を採用するとともに、その旨を記載した就業規則を作成し、労働者代表の意見書を添付して、所轄労働基準監督署長に届け出た。

解説・参考例
(労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置)
使用者は、労働時間を適正に把握する責務があります。労働時間の適正な把握を行うためには、単に1日何時間働いたかを把握するのではなく、労働日ごとに始業時刻や終業時刻を使用者が確認・記録し、これを基に何時間働いたかを把握・確定する必要があります。 そして、使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として、
(ア) 使用者が、自ら確認することにより確認は、記録すること。
(イ) タイムカード、ICカード等による客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。
のいずれかの方法によることとされています。

(時間外労働・休日労働に関する協定届(労働基準法第36条))
使用者は、法定労働時間を超えて又は法定休日に労働させるためには、労働者の過半数を代表する者等との間で、書面による協定(36協定)を締結して、これを所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。  
36協定により延長できる労働時間については、厚生労働大臣が定める「労働基準法大36条大1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準」(厚生労働省告示)において上限時間が示されており、協定内容はこの基準に適合するようにしなければなりません(原則、月45時間、年360時間)。  
ただし、この限度基準には例外があり、「特別の事情」が生じたときに限り、限度期間を超える一定の延長時間の協定が可能です(特別条項付き協定)。この「特別の事情」は、「臨時的なものに限る」こととされており、「臨時的なもの」とは一時的又は突発的に、時間外労働を行わせる必要のあるものであり、全体として1年の半分を超えないことが見込まれるものをいいます。

(か月単位の変形労働時間制(労働基準法第32条の2))
1か月単位の変形労働時間制を採用するには
@ 書面による労使協定又は就業規則その他これに準ずるものにおいて、
A 1か月以内の一定の期間を平均して1週間以内の労働時間が法定労働時間を超えない範囲内において、
B 各日、各週の労働時間を具体的に定めること
C なお、労使協定による場合は、Bに加えて有効期間の定めをおくこと、
D また、労使協定による場合は、所定の様式により所轄労働基準監督署長に届け出ることが必要です。

以上は
労働時間の適正な把握

労働時間の適正な把握
の内容をご紹介させていただきました。

続きの→7.タイムカードと賃金不払い残業を見てみる。

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