業界初 猿回しで手話 神戸モンキーズ劇場
業界初 猿回しで手話 神戸モンキーズ劇場
神戸モンキーズ劇場(神戸市北区大沢町大沢、餅の駅神戸フルーツ・フラワーパーク大沢内)が、手話を取り入れた「猿まわし」芸を新たに考案した。業界初とされ、トレーナーの大場由佳さん(24)とニホンザル「あいちゃん」(4歳、雌)のコンビ「アイノテ」が演じる。来春から全国行脚で本格披露を予定するが、2022年12月17日、18日、それに先駆けて特別公演を開く。(末吉佳希)
神戸モンキーズ劇場 同劇場は、伝統芸能・猿まわしの継承を手がける「仁助企画」(大阪市中央区)が、約10年前から運営する。劇場での公演のほか、兵庫県内の道の駅や、大阪など関西でのストリートパフォーマンスで芸を披露している。
17組のコンビが所属しており、アイノテは2020年2月に結成。褒められるのが大好きで甘えん坊のあいちゃんとも小さい頃から動物好きの大場さんがタッグを組み、日々の稽古や路上公演で技を磨いてきた。
手話を取り入れた芸は、大場さんが小学生時代に聴覚障害がある友人と接した経験が原点。当時、困っている友人を前に「力になりたくても、大丈夫?という気遣いさえ伝えられなかった」といい、悔しさから「どんな人でも楽しめるショーにしたい」との思いが強まった。
大場さんは50音を意味する指文字や手話を独学で学び、手話通訳者の資格取得にも挑戦した。コンビ結成時から稽古を重ね、あいちゃんは時間をかけて芸を吸収。右手の小指側で左手の甲を軽くたたいて上げる「ありがとう」と「分かった」「アイノテ」「できる」の4種類を大場さんの声やしぐさに合わせて表現できるようになった。
本来、ニホンザルはチンパンジーなどと比べて手先は器用でないが、育ち盛りのあいちゃんは柔軟に手話を吸収。大場さんは「少しできればいっぱい褒める。成功体験の積み重ねです」と道のりを振り返った。
2022年10月に開かれた「近畿ろうあ大会」で試しに手話を披露。笑顔の反応に大場さんは手ごたえを感じた。
公演は大場さんが口頭の説明に手話を交えながら進めるが、観客に「頑張って」などいくつかの手話を伝授する場もある。大場さんは「せっかくなので手話をいくつか覚えてもらって、あいちゃんを応援してほしい」と笑顔で話す。
2022年12月17日、18日は午前11時、午後1時、午後3時の計3回。事前予約は不要で、観覧料はなく、客が芸を見て決めた額を「投げ銭」として払う。仁助企画 06-6944-1981
以上は、私が購読している神戸新聞2022年12月15日(木)朝刊25頁からの引用です。とても素晴らしい内容ですね。