健康寿命,社会活動でグングン,人生の締めくくり 考える機運を
健康寿命,社会活動でグングン,人生の締めくくり 考える機運を
介護を受けたり寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」。
厚生労働省の最新データによると、2019年は男性が72.68歳、女性が75.38歳だった。都道府県別では全国1位は男性が大分県(兵庫県は31位)、女性が三重県(兵庫県は26位)。人生100年時代と言われる中で健康寿命をどう捉え、どう向き合うべきなのかを専門家に聞いた。
「地域」「多世代交流」が鍵
人生の締めくくり 考える機運を
「就労やボランティアなど社会への関わり方は年齢や体調によって異なるが、社会活動への参加は高齢者の心身の健康維持に役立つ」。こう説明するのは東京都健康長寿医療センター研究所の社会参加と地域保健研究チーム研究部長を務める藤原佳典医師。
キーワードは「地域」「多世代交流」という。高齢者が自分の住む地域の介護施設で介護助手として働く取り組みが各地で広がりを見せ、職員の業務負担が減るメリットも出てきている。
高齢者ボランティアによる絵本の読み聞かせを行う NPO 法人「りぷりんと・ネットワーク」に関わる藤原部長は「絵本を読む練習が"脳トレ"になり活動を継続することが体力維持につながる」と話す。小学校などで読み聞かせを行うことにより核家族化で高齢者と普段接することのない子どもや親との世代を超えた交流が生まれる。
藤原部長は「自治体は健康寿命のランキング一喜一憂するのではなく、いかに地域に根差した持続可能な活動を戦略的に創出していくかが重要だ」と指摘する。
「健康で長生きすることはもちろん重要だが、健康寿命をもてはやし過ぎる風潮には疑問を感じる」と話すのは桜美林大大学院の鈴木隆雄(老年学)だ。
「老いると多かれ少なかれ不健康になる。加齢に伴うルフレイル(虚弱化)対策や科学的根拠に基づいた認知症対策の推進など"不健康寿命"をいかに短くするかに主眼をおく必要もある」と話す。
健康寿命伸ばすことが医療費や介護費の削減につながるという考え方があるが、予防対策を充実させるなら逆にお金がかかると見る鈴木教授。
「超高齢化社会の日本で、国は耳に心地よい健康寿命延伸ばかり言うのではなく、老いて不健康になったとき、どのような医療や介護を受けるかを含め、自分がどう対処し人生を締めくくっていくかを国民一人一人にきちんと考えてもらう機運を醸成することが大切だろう」としている。
以上は、私が購読している神戸新聞2022年4月29日朝刊16ページからの引用です。
こういう場所を私も作りたいと思っています。
そして今は、新型コロナウイルスの影響が早く収束してほしいと願うばかりです。