共に楽しむ高齢者サロン 笑顔が最高の報酬
共に楽しむ高齢者サロン 笑顔が最高の報酬
昨年10月に地元の社会福祉協議会の地区サポーター仲間とボランティアで高齢者のサロンを立ち上げました。
きっかけは「生きていても何も楽しいことはない」という父の言葉でした。
老年期に入り体調を崩して仕事を辞め、妻は認知症になり、父にとって生きる楽しみが見つからなかったときにつぶやいたのです。
この言葉を耳にして、私は父に返す言葉が見つかりませんでした。
悲しいけれど、その通りだと思ってしまったのです。
自分にもいつか訪れる「老い」。
父のように「死ぬために生きる」のは辛すぎます。
高齢者が生きがいを感じ、楽しく生きるすべはないのか。
認知症になった母ですが、老人ホームに入居した後の笑顔は、楽しいコミュニケーションのおかげだったのではないか。
「高齢者のサロン」とは話し相手がいない、出掛けることが少ない、誰か相談できる人を探したいという方たちに足を運んでもらい、仲間をつくり、楽しい時間を過ごしてもらうことを目的にしています。
体操や看護師による健康講座、折り紙、音読、フラダンスなどのアクティビティーでコミュニケーションを図ります。
「ちょっと遊びに行ってくる」感覚で楽しめる場所というイメージで、私たちスタッフと参加者は「してあげる」「してもらう」関係でなく「共に楽しむ」スタンスです。
ボランティアというと人のために行動することだと勘違いする人がいますが、あくまでも自分がやりたくて行動しているので、全て自分のためです。
活動に金銭の報酬はありません。それでも続けられるのは、参加者の皆さんと過ごす時間が楽しいから。
皆さんの笑顔、それが私にとって最高の報酬なのです。
(フリーアナウンサー・寺田理恵子 )
以上は、私が購読している神戸新聞2022年3月18日朝刊19ページからの引用です。
こういう場所を私も作りたいと思っています。
そして今は、新型コロナウイルスの影響が早く収束してほしいと願うばかりです。