社会復帰への一歩支え ベーシックアカデミー
社会復帰への一歩支え ベーシックアカデミー
漫画を読む、資格の勉強に打ち込む、色紙を折る。自分のやりたいことをマイペースで。
自立訓練事業所「ベーシックアカデミー」(中央区中山手通4)を2020年12月に立ち上げた。障害のある人や家に閉じこもりがちな人たちの、社会復帰に向けた一歩を支える。訓練といっても決まったメニューはない。自由に過ごし、興味のあること、得意なことを探す。
きっかけはいとこの存在だった。知的障害があり、周囲とコミュニケーションがうまく取れず、作業所を転々としていた。「心は優しい人なのに。やりたいこと、自分に向いていることを見つけられていない」ともどかしかった。
関心の赴くままに学び、経験し、試行錯誤できる。家でも職場でもない第3の居場所をつくると決めた。
「自分はなぜ生きているんだろう」と、後ろ向きだった女性利用者の変化が忘れられない。いつもすっぴんだった。でも、他の利用者に化粧をしてもらい「きれいだね」と褒められると、毎日化粧をするようになった。
次第に「人のために何かをやってみたい」と前を向き始め、7月から職員見習いとして事業所で働いている。「人ってこんなに変われるんだ」とうれしかった。
自身、数多くの挫折を経験した。あこがれたキャビンアテンダントも、語学学校の講師も、長くは続かなかった。弁護士を目指したが、司法試験に落ち続けた。
そんな中で出会った今の仕事は、自分に合っていると胸を張れる。だから、利用者にもこう伝える。「失敗しても、一つだめでも、何度でもやり直せばいい」(領五菜月)
以上は、私が購読している神戸新聞2022年9月24日(土)朝刊25頁からの引用です。私自身が、いろいろと考えさせられた内容です。