うつ病のことを正しく知り、早期に治療につなげていくことが大切です。
よく眠れない、何となくうっとうしい、ご飯がおいしくない、疲れやすいなどの自覚症状がある時は、 実はうつ病の初期症状かもしれません。
2、治療
うつ病は一直線に完治するものではなく、一進一退を繰り返しながら徐々に軽快していきます。
あせらず、あきらめず、じっくりとつきあうことが大切です。
(1)休養
まずはしっかり休むことが肝心です。自分の好きなことを少しだけするにとどめ、いやな事や大事な決断は後回しにしましょう。
(2)通院と入院
軽症なら、たいていは外来で治療できます。しかし、激しい不安やイライラ、自殺のおそれ、体の衰弱が出現している場合、自宅で休養することが難しいときなどに入院が勧められます。
(3)薬物療法
効き方、副作用の出方には個人差があります。
自己判断で服薬を中止せず、必ず主治医と相談しながら調節しましょう。
①抗うつ薬
すぐに効果が現れず、2~3週間後に効き始めることが多いようです。憂うつな気分を和らげ、意欲を回復させます。三環系、四環系抗うつ薬は口の渇き、便秘、眠気などの副作用がでることがあります。SSRI、SNRI、NaSSAなどは副作用は少ないのですが、吐き気、下痢、頭痛、血糖値上昇などの副作用が出ることがあります。
②睡眠薬
眠りが浅い、早朝に目が覚める、寝付きが悪いなど、不眠のタイプで使い分けされています。
③抗不安薬
不安や緊張を和らげるほか、気分や睡眠状態を改善するものもあります。
④気分調整薬
炭酸リチウムや抗てんかん薬や抗精神病薬が使われます。気分の波を安定化します。
4.精神療法
コミュニケーションを通して行われる治療です。様々な技法があり、病状に応じて使い分けられます。
認知行動療法
近年、注目されている治療法で、認知(ものの見方、考え方)の偏りに焦点を当てます。ものごとを悲観的に受け止めてしまう傾向があると、うつ病になりやすいといわれます。たとえば、水筒に半分ほど水があるとき、「まだ半分も残っている」という考え方もできるのに、うつ病の人は「半分も減ってしまった、大変だ」と考えがちです。このマイナス思考を自覚して、発想の選択肢の幅を広げようとするのが認知行動療法です。
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「3.自殺防止」を見てみる。