私は、普段手話活動をしているためにろうあ者の方々とお話をする機会があります。その中で、すでに老齢年金をもらうようになった方々やもうすぐ老齢年金をもらうことができる方々は良いのですが、まだまだ若い方々で「ろうあ者という理由のために」「聴覚障害者という理由のために」「難聴者という理由のために」就職が難しい、または就職してもなかなか仕事を覚えることができない、というお話をきくこともあります。
私が個人的に考えることは、「ろうあ者」「聴覚障害者」「難聴者」の方々であっても、仕事の内容をきちんと理解すれば、健聴者と変わりなくできる仕事も多々あると思います。
ただし、雇い入れるあるいは既に雇っている立場、つまり事業主(社長や理事長、代表)からは「そこまでの時間やお金をかけることができない。」ということをお聞きすることもあります。
そこで、国からの助成金を利用する方法をおすすめします。
具体的には、今回は若い方々を対象として話をすすめさせていただきます。
若い方々というのは35歳未満の方々であるとご理解ください。
その若い方々を最初は「非正規雇用」として雇い入れてからじっくりと時間をかけて職業教育訓練をしたのちに、正社員として雇い入れるのはいかがでしょうか。
もし、それを行う場合には、若者1人につき1か月15万円が支給されます。つまり若者1人につき15万円をもらうことができるのです。つまり、「ろうあ者」「聴覚障害者」「難聴者」の若者を1人職業教育訓練するごとに1か月につき15万円のお金が支給されます。若者が2人であれば、15万円×2人=30万円が1か月に支給されます。
この制度の名前は
「若者チャレンジ奨励金」といいます。
「ろうあ者」「聴覚障害者」「難聴者」の若者は、健聴者の若者に比べてよりじっくりと育てていきたいと思う場合には、最長2年分までお金が支給されます。つまり15万円×12か月×2年=360万円が若者1人につき支給されます。
「ろうあ者」「聴覚障害者」「難聴者」の若者を雇い入れて育てて、ゆくゆくは正社員として迎え入れたいと考えている事業主の場合は、とても使いやすい制度です。
また、「ろうあ者」「聴覚障害者」「難聴者」の当事者だけではなく、支援する立場の人、つまりサポートする立場の若者を雇い入れる場合にも活用できます。
具体的な例としては、「聴覚障害者団体」が健聴者の職員を雇い入れる場合にも、活用できます。健聴者の職員を非正規雇用で雇い入れて、「手話通訳者」になるように訓練して手話通訳になってから正社員として雇い入れるという場合にも、1か月あたり15万円の支給があります。
聴覚障害者団体の立場としても、「ろうあ者」「聴覚障害者」「難聴者」の立場としても活用することができます。
聴覚障害者団体などもこれらの助成金を利用して1年間に最大1400万円までの人件費の支給がでる可能性もあります。1年間に1400万円の人件費助成というのは大きいですね。
また、今現在アルバイトをしている立場や、これから仕事を探す立場の若者でも、「この制度を使って私を育ててください。」という提案をすることも可能だと思います。
以上の内容をもっとくわしく知りたい方は、
「若者チャレンジ奨励金」←の青文字を左クリックしてください。
今回は手話活動を通じて最近聞くことが多い若者に対しての助成金の内容でしたが、どの年齢層の方にも利用できる助成金もございます。
また、年齢に限らず、「母子家庭」「父子家庭」というご家庭の母や父の立場の方々がもらうことができる助成金もございます。
でも、「ろうあ者」「聴覚障害者」「難聴者」の方々がこれらの情報についてくわしく知る機会は少ないのが現状です。
また、インターネットで検索して例えば「厚生労働省」のホームページでこれらの助成金のくわしい説明があったとしても、「ろうあ者」「聴覚障害者」「難聴者」の方々の中には、内容を正確に理解することがなかなかむずかしいという方もおられるとお聞きしています。
その場合には手話による社会保険労務士の無料相談会をご利用されることも1つの方法としてお伝えします。
2013年4月18日には神戸市役所にて手話ができる社会保険労務士が「社労士としての無料相談」を受け付けていますので、ご希望される方はお越しいただければと思います。くわしくは神戸市役所までお問い合わせください。
続きの→
「若者チャレンジ奨励金」を見てみる。