1997年、ロナルド・メイス教授は仲間と共同でユニバーサルデザインの7原則を発表しました。ここでは、7原則をわかりやすく実例を挙げてご紹介します。
原則1:誰にでも公平に利用できること。
誰にでも利用できるように作られており、かつ、容易に入手できること。
具体例としては、鉄道駅での会談、エスカレーター、エレベーターの併設や、左の写真のような神戸市ノンステップバスなどがあり、すべての人が公平に利用しやすくなっています。
原則2:使う上で自由度が高いこと。
使う人のさまざまな好みや能力に合うように作られていること。
具体例としては、左の写真にあるように階段のかわりにゆるやかなスロープにして終わりというのではなく、スロープを移動する場合も手すりが必要な人は、2段の高さで背が低い人、腰が曲がった人、車いすの人などが利用するであろう下側のてすりは握りやすいように直径が小さくなっています。
原則3:使い方が簡単ですぐわかること。
使う人の経験や知識、言語能力、集中力に関係なく、使い方がわかりやすく作られていること。
具体例としては、左の写真のようなテレビのリモコンなどがあります。ボタンが少なく形も区別しやすい工夫がされていますね。商品として売られているものなどは、日本の高齢化にあわせてメーカー側が工夫していることが多くみられるようになりました。
原則4:必要な情報がすぐに理解できること。
使用状況や、使う人の視覚、聴覚などの感覚能力に関係なく、必要な時様法が効果的に伝わるように作られていること。曽田梨乃写真のように絵文字(ピクトグラム)での大きな表示での案内は便利ですね。例えば、外国の方などが日本に来た時でも、日本語での「トイレ」という文字がわからなくても、左の写真でのトイレや車いすエスカレーター非常口などの絵文字(ピクトグラム)は比較的わかりやすいですね。
原則5:うっかりミスや危険につながらないデザインであること。
ついうっかりしたり、意図しない行動が、危険や思わぬ結果につながらないように作られていること。 具体例としては、左の写真のこうべポートライナーは完全二重扉です。電車側の扉が駅側の扉の位置に車では駅側の扉も電車側の扉もしまっているので、駅のホームからの転落事故がおこらないような誰もが安全に利用できるしくみになっています。はじめてこのしくみを見たときには私は感動したことを今でも覚えています。
原則6:無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること。
効率よく、気持ちよく、疲れないで使えるようにすること。
具体例としては、飲料の自動販売機などでも、消費名の取り出し口が高くなり、腰を曲げてとらなくてもよいものや、小銭を入れるときに受け皿のようなところに一度に小銭を入れることができるようなものなどメーカー側の工夫により、使いやすい自動販売機も増えてきたように思います。
原則7:アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること。
どんな体格や、姿勢、移動能力の人にも、アクセスしやすく、捜査がしやすいスペースや大きさにすること。
具体例としては、左の写真の多目的トイレがあります。
車いすを使用している方などが利用できるよう入口は幅が広く、開閉しやすい戸が使用されています。また、内部は車いすが回転できるようスペースが広く確保され、便座に移る際に使用する手すりなどが設置されています。
この他にも座位を保てるよう背もたれや手洗い設備の上下端の高さ、呼出装置などさまざまな配慮がなされています
もういちどまとめると、ユニバーサルデザインの7原則とは、
1.誰にでも公平に利用できること。
2.使う上で自由度が高いこと。
3.使い方が簡単ですぐわかること。
4.必要な情報がすぐに理解できること。
5.うっかりミスや危険につながらないデザインであること。
6.無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること。
7.アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること。
というものですね。
さあ、みなさんもお住まいの地域や訪問される地域などの「ユニバーサルデザイン」に目をむけていきませんか。
そして、「みんなにやさしいまち」をみんなでつくっていきませんか。
ハード面は国や地方公共団体、メーカーなどが用意してくれると思います。
でも、一人一人を大切にする意識作りは、ソフト面としてのみなさんの協力が大切だと思うのです。
神戸市では「こうべUDサポーター」も募集しています。
こうべUDサポーターに登録するのも結構ですが、普段から一人一人がまわりの人のことを少しずつ意識して過ごすことで、より「みんなにやさしいまち」作りがうまくいくのではないかと私は思っています。
ここまでご覧いただいて本当にありがとうございました。
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